皆様いかがお過ごしですか?東京は全く秋の気配がありません。毎日暑いです。
さて今日は新国立劇場のカヴァレリア&道化師の最終日でした。東京フィルに客演首席としてお邪魔してリハーサルから約一ヶ月間、とても充実した(ハード!?)日々でした。特にカヴァレリアはオーボエのソロが多く、しかも舞台上の歌い手とのからみも多いのでピットの中から呼吸やタイミングなど予測して瞬時に反応しなくてはいけないので非常にシビアだったと思います。まして東京フィルの皆様はいわゆる「ハコモノ」に慣れているのでどこに「つける」べきか、どこを「リード」するべきか解っていらっしゃるので、経験不足の僕としては試されてる気がして(!)緊張の連続でした。
僕のオペラ経験は4年前の小澤征爾音楽塾でフィガロの結婚を演ったのが多分最初なのですが、普段のオケでの経験以上の事を考えなければならず非常に勉強になった記憶があります。指揮を見て、コンマス見て、コントラバスのトップを見て、他のパートが何をやっているか聴いて、さらに舞台上の歌い手の声を聴き、予測しながら、あるいは先取りする気持ちで音を出す事、そしてそれを踏まえて自分の音楽もする事を経験から学んだ気がします。が、しかし、それでも経験不足と実力不足(!)で周りに迷惑をかける事も多々あります。。。。。。
オペラやバレエでは、例えば絹のはしごやブラ1の本番の後のように、真っ先にステージ上で指揮者にたたせてもらえる事も無く、ピットの中から舞台を見上げお客さんと一緒に拍手をおくったりしています。だからハコモノは好きじゃないという方々もいらっしゃいますが、例えば歌い手にぴったり寄り添えた時等はこの上ない喜びを感じる時もありますし、素晴らしい歌い手の声、音楽を聴くと鳥肌がたつ時もあります。
今回は歌い手がまた素晴らしく、会場からブラボーの嵐でした。こういう本番で演奏できて本当に嬉しかったですし、音楽家になってよかったとつくづく思います。
余談ですがカヴァレリアには有名な間奏曲がありますが、僕がクラシックを聴いて初めて泣いた曲がこの間奏曲でした。その時はオーボエをやってなかったので、ただ本当に美しい曲だとしか思わなかったのですが、実際演奏すると非常に緊張してシビレます。今まで50回以上この間奏曲は単独で本番していますが、何度やっても緊張します。。。。。思い入れがあればある程緊張するものなのでしょうか。。。。。。
今回のカヴァレリア&道化師は本番にNHKの収録が入っていたのでいずれ放映されると思いますので興味があれば是非ご覧下さい。こちらのブログでも詳細がわかったらお知らせしたいと思います。